ストーリー

  • 第一話 血頭の丹兵衛
  • 第二話 本所・桜屋敷
  • 第三話 暗剣白梅香
  • 第四話 血闘
  • 第五話 谷中・いろは茶屋
  • 第六話 盗法秘伝
  • 第七話 瓶割り小僧
  • 第八話 大川の隠居
  • 第九話 わかれ道
  • 第十話 泥鰌の和助始末
  • 第十一話 むかしの男
  • 第十二話 あきれた奴
  • 第十三話 狐火

第一話 血頭の丹兵衛

「血頭の丹兵衛」率いる盗賊たちが非道な手口で盗みを繰り返していた。
そんなある日、平蔵は、牢にいる粂八から意外な話を聞く。「その丹兵衛は偽者だ」。
粂八はかつて丹兵衛に仕えたことがあり、「殺さず、犯さず、金が有り余るところからしか盗まず」という(まこと)盗人(ぬすっと)三箇条(さんかじょう)>を守ってきた正真正銘の親分だという。平蔵は、「偽者の化けの皮をひんむいてやる」という粂八を信用し、丹兵衛を探させることにしたのだったが……。

第二話 本所・桜屋敷

平蔵は、懐かしの土地・本所にある服部角之助(はっとりかくのすけ)宅で度々騒ぎが起きていることを知る。早速偵察に出向くと、かつて共に剣術を学んだ岸井左馬之助(きしいさまのすけ)と会い、荒れていた若い頃の仲間、彦十(ひこじゅう)とも再会。彦十から、悪御家人・角之助が湯島横町の呉服屋「近江屋」への盗みを企んでいると聞いた平蔵は、すぐに屋敷を取り囲み一味を捕える。すると、そこに平蔵と左馬之助の初恋の人「おふさ」の姿があった。

第三話 暗剣白梅香

ある晩。平蔵は、曲者に突如襲われた。手掛かりは妖しげな残り香だけ。男は、父の仇を討つために森為之介という元・大洲藩士を探しながら、金で人斬りを請け負う金子半四郎という者だった。平蔵殺しの依頼を成功させれば金になる。それを最後に人斬り仕事から足を洗い、心を通わせるようになっていた下女おさきと共に逃げ、知らない土地でまともな暮らしをしようと決意していた。「今度こそ、斬る」 船宿を訪れた平蔵に斬りかかった半四郎だったが……。

第四話 血闘

平蔵が若い頃に入り浸っていた「盗人(ぬすっと)酒屋(さかや)」の娘おまさが、平蔵を訪ねてきた。盗賊となったおまさは、残虐な急ぎばたらきをする一味から抜け、平蔵の密偵として命を差し出す覚悟、と訴える。そんなおまさの元に、一味のひとり源八がやってきて、盗みの決行は明後日だと告げ、去って行った。その後おまさは源八を尾行するが、その途中で何者かに連れ去られてしまう。

第五話 谷中・いろは茶屋

ある夜、呉服問屋「備前屋(びぜんや)」から金が奪われ、十五人が惨殺される事件が起きた。その手口から「墓火(はかび)秀五郎(しゅうごろう)」一味の犯行と発覚。見回りを強化する平蔵だが、かたや同心の忠吾は外回り中に立ち寄った「いろは茶屋」の女、お松に熱を上げ、通い詰める。そんな折、そのお松の得意客、川越の旦那は気前よく大金を渡してくれたため、忠吾ともこれまで通り遊べる、とお松は持ちかける。ところが、川越の旦那こそ墓火の秀五郎だったのだ。

第六話 盗法秘伝

平蔵が京へと向かう道中、一人の男と道連れになった。この男、実は「伊砂(いすが)善八(ぜんぱち)」という盗人で、平蔵はその腕前と人柄を見込まれてしまい、悪名高い升屋(ますや)市五郎(いちごろう)の屋敷への盗みを持ちかけられる。
決行の日、2人は計画通り市五郎の造り酒屋「升屋(ますや)」に忍び込む。いざ金箱をかついで脱出しようとすると、善八は大事な物を落としたといい、取りに戻る。それは「盗法秘伝」という大事な帳面だった―。

第七話 瓶割り小僧

火盗改たちは、悪名高い「(まむし)新兵衛(しんべえ)」の一味として捕らえた石川五兵衛の取調べに手こずっていた。五兵衛の顔を見て、平蔵の記憶が蘇った。「あやつ、音松か!」 音松は子供の頃、継父から虐待を受けており、「何かあればすぐ役宅に来い」と平蔵が度々助けたが、役目で平蔵が京にいる間に継父の仕打ちはさらにひどくなり、ついに刺殺、江戸を飛び出してしまい、「それも鬼平のせい」と逆恨みしていた。

第八話 大川の隠居

ある朝、平蔵が朝餉(あさげ)の後に一服しようとすると、父の形見の大切な煙管が忽然と消えていた。火付盗賊改長官の役宅に盗みに入った者がいるとは!その後市中見回りの後、平蔵が乗り込んだ船の船頭・友五郎がまさにその銀煙管で一服していた。平蔵は粂八にこの船頭を探るよう密かに頼む。友五郎は、江戸市中で恐れられている「鬼平」に一泡吹かせてやろうと平蔵の煙管を盗んだのだ、と自慢する。話を聞いた平蔵は、粂八に一芝居打たせることにした……。

第九話 わかれ道

平蔵がまだ“(てつ)三郎”と名乗っていた若かりし頃、高杉道場で稽古に励んでいると、松岡(まつおか)重兵衛(じゅうべえ)という腕の立つ男が乗り込んできた。その後実家を訪れた銕三郎(平蔵)は、父の正妻・波津(はつ)から「妾腹の子」と罵られ、「こうなったら、落ちるところまで落ちてやれ」と自暴自棄になり、ある男から持ちかけられた話に親友・左馬之助とともに乗ってしまう。